線維芽細胞の増殖には「アクアポリン(AQP)」が関係しているとの発表が、ポーラ・オルビスグループのポーラ化成工業株式会社のニュースリリース2018.7.31にありました。
アクアポリンは、細胞にとって欠かすことができない水の通り道のこと。とても小さな穴で、水(H2O)の直径ギリギリサイズしかありません。
そのため、他の物質と結合したイオン化溶液は水分子より大きなサイズになるので、通過することができません。
ある記事によれば、そのサイズは、3オングストローム(100億分の1m)だそうですから、水の分子の直径3.8オングストロームとほぼ同じサイズ。
水分は、このアクアポリンの穴から細胞へとりこまれ、細胞の健康を保っています。
たとえば高血圧は、血液の粘度が高くなってネバネバになることで血圧が上昇しますが、これは細胞の水分が少ないことで生じます。また、糖尿病も水分不足が大きな引き金になっているとも言われます。
皮膚の細胞の水分が減ったら?
皮膚の水分量が減ると、肌のうるおいが失われるのはもちろんですが、皮膚炎などの皮膚トラブルの原因にもなります。
これらのことから、三大美容成分「コラーゲン」「ヒアルロン酸」「エラスチン」を産生する皮膚の線維芽細胞に、アクアポリンが重要な役割をはたしていることは容易に想像できます。
ポーラの研究成果は、次の3点です。
②線維芽細胞のアクアポリンは日常生活で発生する酸化ストレスで減ってしまう
③線維芽細胞のアクアポリンを増やすエキス
真皮の線維芽細胞の増殖にはアクアポリンが必要である
アクアポリンは、線維芽細胞の活動にとって必要な水の出入り口になっていて、数種類のアクアポリンがあります。
アクアポリンのうち特定のアクアポリンの発現量を減らした線維芽細胞では、正常な状態と比べて、細胞の増殖能力が約3/4に減少したそうです。
こちらが、その画像です。
※引用:POLA OLBIS ホールディングス ニュースリリース
年齢とともに、線維芽細胞の働きが衰えていきますから、アクアポリンの減少は、お肌のハリをささえるコラーゲンにも大きな影響をあたえることになります。
こちらが、年齢とともに変化するコラーゲン量の変化です。
※引用:POLA『インナーリフティア』公式サイト
線維芽細胞のアクアポリンは日常生活で発生する酸化ストレスで減ってしまう
線維芽細胞を活性酸素にさらすと、アクアポリンの数が減少 してしまうようです。
活性酸素は、悪者のように思われていますが、白血球から産生される活性酸素は、免疫力の大事な機能をはたしています。
しかし、活性酸素が増え過ぎると、酸化ストレスとも呼ばれるように、さまざまな成分と反応して細胞を傷つけてしまうわけです。
※引用:POLA OLBIS ホールディングス ニュースリリース
そのため、線維芽細胞が酸化ストレスに負けずに増殖し活動するためには、線維芽細胞のアクアポリンを増やすこと が必要と考えられます。
線維芽細胞のアクアポリンを増やすエキス
ポーラ化成工業株式会社は、線維芽細胞のアクアポリンを増やすことのできる成分で、ヤグルマギクと海草のアマモから抽出したエキスが、アクアポリンを増やすことを発見したそうです。
※引用:POLA OLBIS ホールディングス ニュースリリース
地中海沿岸に分布する草花で、ギリシャ神話に出てくる半人半獣のケンタウルスが傷を受けたときヤグルマギクの葉で治したという伝説があり、線維芽細胞の AQP1 を約 3 倍にまで増やしましたそうです。
海草の一種で、多くの生き物の産卵場所や生息場所になっています。近年では、東京湾など日本各地でア マモを増やして海の環境を改善する活動も活発になっています。 アマモエキスは、AQP3を約2倍近くにまで 増やすことが分かったそうです。
ポーラの美容サプリメント
ポーラの美容サプリメント『インナーリフティア コラーゲン&プラセンタ』は、線維芽細胞にはたらくコラーゲンペプチドを配合した顆粒状サプリメントです。
『インナーリフティア コラーゲン&プラセンタ』に配合されているコラーゲンは、「セラクティブコラーゲン」と呼ばれるポーラオリジナル素材です。
ヤグルマギクエキス・アマモエキスは配合していませんが、コラーゲンペプチド1000mg(1日目安量)のほか、植物プラセンタやフィッシュエラスチン、ヒアルロン酸などを配合しています。
スティックタイプなので、携行に便利で、水無しで飲めるのが好評です。