線維芽細胞増殖因子「FGF」は、サイトカインの一種で、血管の生成や傷の修復、胚発生にはたらくタンパク質です。
スキンケアに関心がある方なら、よくご存じの成分ですが、再生医療の現場でも欠かすことができない薬として使われています。
心筋再生などの再生医療でも使われ、皮膚再生医療の現場でも、FGF が頻繁に使われているようです。
FGFを使うメリットは、細胞への定着率が3倍ほど向上するので、細胞の使用量が3分の1程度で済むとのこと。これは、線維芽細胞の増殖スピードが早いことによりますが、治療費の負担もその分安くなります。
スキンケアでも、FGFが注目されるのは、やはり線維芽細胞への働きへの期待でしょう。
線維芽細胞増殖因子「FGF」の肌へのはたらき
FGFは、英語では「Fibroblast growth factors」と書きます。
成長因子(growth factors)グロースファクターには、EGF、IGF、PDGF、VEGFなどがありますが、FGFもその一つ。
どれも再生医療には欠かせませんが、なかでも線維芽細胞は増殖スピードが早いので、FGFは、再生医療にとって非常に便利なグロースファクターと言えます。
「FGF」の発ガン性は?
かつて、FGFは、発ガン作用があるのでは?と心配されたことがありました。
FGFは、ガン細胞が増殖・転移して、他の臓器に定着するために必要な因子と考えられたからです。
増殖して定着することに働くので、FGFが再生医療に使われるわけですが、このメカニズムはガン細胞も同じこと。
FGFが、特別にガンを作り出しているわけでないことから、現在ではFGFのガンを作り出す能力については否定されています。
ちなみに、発ガン性が指摘されている食品や物質は、私たちの生活のなかにたくさんあります。たとえば、カビ、アルコール、焼き魚の焦げなど。
しかし、これらの食品や物質についても、まったく新しいガンを作り出す能力である原ガン性は否定されています。
スキンケアにおけるメリット
FGFがはたらく線維芽細胞は、三大美容成分である「コラーゲン」「ヒアルロン酸」「エラスチン」を作りだします。
この三大美容成分をつくることができるのは、線維芽細胞だけです。
しかし、年齢とともに線維芽細胞の働きが衰え、減少していくことで、シミ・シワなどさまざまなトラブルが肌に表れます。
20代のうちは、まだあまり表面化しませんが、30代過ぎてからはその症状が顕著に表れるようになり、なかには外出をひかえる人もいます。
”年だから仕方ない”、とあきらめてしまう方もいますが、線維芽細胞を活性化することができるなら、復活のチャンスは残されていることに。
線維芽細胞の増殖と活性化は、スキンケアの究極のテーマだと考えています。
FGFなどのグロースファクターの働きについては、まだまだわからないことが多く、再生医療や美容分野でも、さまざまな研究が続けられています。
線維芽細胞にはたらく成分は、FGF以外にも、コラーゲンペプチド、ビタミンCなどがありますが、
線維芽細胞にはたらく特許成分を配合した美容ドリンクもありますので、肌に症状が出るまえに、早目に試してみてはいかがでしょう。