「コラーゲン」と「コラーゲンペプチド」は、同じコラーゲンという名前がついていますが、体への働き方はまったく違います。
コラーゲンは、食品として摂取することで体内に吸収されると思っている人が多いですが、そのままの形で吸収されることはありません。
基本的には、すべてアミノ酸にまで分解されてから、体内に吸収されます。
しかし、最近の研究で、アミノ酸に分解されなかった一部のコラーゲンがペプチドの形で体内に吸収されることがわかってきました。
このコラーゲンペプチドがどんなもので、どんな働きがあるのか、知っておくことでスキンケアに対する考え方も変わるはずです。
「コラーゲン」はそのまま吸収されないけれど「コラーゲンペプチド」なら・・・
美容ドリンクの成分表記を見ると、「コラーゲンペプチド」と書かれているのを目にするはずです。
”ペプチド”って、何?と一瞬思っても、”コラーゲン”の文字に気持ちが惹かれてしまいがち。
コラーゲンを分解するとコラーゲンペプチドに!
コラーゲンは、3本のタンパク質がらせん状にからまった形状をしています。
この3本のタンパク質をバラバラにしたのが、ゼラチンです。料理やデザートには欠かせない食材です。
このゼラチンを、さらに小さくしたのがコラーゲンペプチドで、複数のアミノ酸がつながった形をしています。
コラーゲンペプチドの大きさは、小さなものから大きなものまでさまざまあって。アミノ酸が2つ繋がったものから、数十個つながったものまで。
もちろん、小さいほど体内に吸収されやすいことになるわけです。
ちなみに、アミノ酸が2つのものを「ジペプチド」、3つのものを「トリペプチド」といいます。
ウィキペディアによれば、アミン酸が50個以上のものは、タンパク質と呼ばれるようですが、その基準ははっきりしていないようです。
コラーゲンペプチドは皮膚のコラーゲンにはならない
体内に吸収されたコラーゲンペプチドは、そのまま皮膚のコラーゲンになりそうな気がしますが、じつは違います。
3大美容成分と言われる「コラーゲン」「ヒアルロン酸」「エラスチン」は、皮膚の真皮層にある線維芽細胞にしか作り出すことができません。
コラーゲンペプチドは、この線維芽細胞を増殖させ、結果的に「コラーゲン」をつくる働きを助けるのです。
ペプチドは小さいほど吸収されやすい
コラーゲンがアミノ酸にまで分解され、体に吸収されるように、ペプチドも小さいほど体に吸収されやすくなります。
一言で、コラーゲンペプチドといっても、アミノ酸2個「ジペプチド」、アミノ酸3個「トリペプチド」・・・、とあります。
某化粧品メーカーの研究論文では、この2種類ペプチドの皮膚における成分量が発表され、次のように結論づけられています。
以下は、研究論文の要約の一部を和訳したものですが、正確な内容については原文を確認してください。
コラーゲン加水分解物は、皮膚老化の治療のための栄養補助食品としてよく知られていますが、その働きはわかっていません。・・・機能性のあるペプチドが、コラーゲンの栄養補助食品によって、皮膚へ届くことができると考えます。
ここで、”加水分解物”とあるのは、”ペプチド”のことです。
まとめ
コラーゲンペプチドの研究は、まだはじまったばかりですが、皮膚のケアには、「線維芽細胞」への働きがカギになるのは確かです。
コラーゲンを食品として摂取して、一部がペプチドの形で体に吸収されたとしても、そのまま皮膚のコラーゲンにならないとすれば、線維芽細胞へのはたらきを優先するのが、肌のためには有効ということになります。
コラーゲン食品は、高カロリーのものが多いですから、年齢とともに衰える線維芽細胞の働きを考えると、できるだけサプリメントなどで摂るほうがいいかもしれません。
でないと、カロリーオーバーに・・・。
コラーゲンペプチドではなく、線維芽細胞にはたらく成分そのものを配合した美容ドリンクもありますから、ぜひためしてみてはいかがでしょうか。