ニキビや発疹、かゆみなどの肌トラブルが生じると、つい外側からのスキンケアにたよりがちですが、じつはその原因は腸内環境にあるかもしれません。
肌荒れは、紫外線や異物など、外部からの刺激によって起こるだけでなく、腸内環境、睡眠不足、偏った食生活など、体内部の原因によっても起こります。
ストレスによってホルモンバランスがみだれると、男性ホルモンの分泌量が増加し、ニキビなどの肌荒れが生じやすくなります。ストレスは腸内環境へも影響をあたえますから、さまざまな不調がお互いに関連しあっていると考えたほうがいいようです。
一般的に、腸内環境といえば大腸の腸内フローラのことをさしますが、小腸で栄養素が吸収され、大腸ではミネラルや水分が吸収され、それが血流にのって全身の臓器におくられていることを知っておく必要があります。
バランスのよい栄養素が充分に供給されなければ、皮膚のターンオーバーが正常にはたらくことができないため、ターンオーバーのサイクルが乱れ、肌荒れがおこりやすくなります。
腸の働きを知れば、スキンケアは、アウターケアだけでなく、体の内側からのインナーケアがとても大切であることがわかります。
腸でつくられた有害物質が血流に乗って・・・
腸内には、善玉菌と悪玉菌、そしてどちらか優勢なほうに味方する日和見菌が棲んでいます。
腸が健康な状態であれば、善玉菌が優勢となり、発酵作用によって発生するガスのほとんどは、二酸化炭素、窒素、水素、メタンなど、基本的には無害で無臭のガスになります。
しかし、悪玉菌が優勢になると、おならの臭いのもとであるスカトールやインドール、硫化水素、アンモニアなどの有害な腐敗ガスがつくられます。
便秘になると、腸内で発生したガスが腸管から吸収され、血流に乗って全身におくられます。肺から放出されると、口臭がおならのような臭いになり、皮膚から放出されれば、アンモニアくさい体臭になることも。
アンモニアによる「汗かぶれ」
汗をそのままにしておくと、「あせも」や「湿疹」、「汗かぶれ」ができることがあります。
汗かぶれは、アンモニアの成分や汗に含まれる塩分が皮膚を刺激することによって起こる肌荒れやかぶれのこと。腸内環境が悪化すれば、アンモニアなどの有害成分が血流に乗って、汗かぶれの原因になるかもしれません。
かつては、お肌のためには汗はそのままにしておいたほうが良いと言われたこともありましたが、肌荒れや体臭のことを考えると、早めに洗い流したほうがいいようす。
自律神経のバランスが乱れによる肌への影響
自律神経は腸の蠕動運動に関係していて、日中、交感神経が優位なときは腸のはたらきが停滞し、夜、副交感神経が優位になるときは腸のはたらきが活発になります。
便はこの腸の蠕動運動によっておしだされていきますから、腸のはたらきが悪くなれば、便が腸内にたまりやすくなり、便秘や腐敗ガスがつくられる原因に。
また自律神経のバランスが乱れると、肌のターンオーバーのサイクルが乱れるといわれています。肌のターンオーバーのサイクルが乱れると、バリア機能が低下し、細菌やウィルス、花粉や化学物質などに敏感になり、肌荒れが起こりやすくなります。
腸は”第二の脳”と呼ばれている
腸は、脳と密接に関係しており、”第二の脳”と呼ばれています。精神的ストレスが腸に影響をおよぼし、腸の不調が精神的ストレスとして脳に反映され、このネットワークは腸脳相関と呼ばれています。
はじめにお話ししたように、ストレスによってホルモンバランスがみだれると、男性ホルモンの分泌量が増加し、ニキビなどの肌荒れが生じやすくなります。
腸内環境が良くなれば、精神的ストレスも減ると考えられますから、結果として健康な美肌につながるということになりそうです。
まとめ
お肌の状態は人によってそれぞれ違いますが、腸内環境をととのえたり、不足しがちは栄養素をおぎなうなど、体の内側からのインナーケアが大切であることは変わりません。
肌質や体質、さらに味や香りなどの好みによって、合う成分と合わない成分があると思いますが、ライフスタイルや食生活を見直すとともに、スキンケアの目的にあった美容ドリンクをみつけていただくことをおすすめします。